徹底紹介!2021年TikTok流行曲
2022.02.17
近年注目を集めている、短尺の動画配信プラットフォームがTikTokです。その中でも特に人気のコンテンツが、最新の流行からあの頃ヒットした懐かしい曲まで、様々な楽曲を利用できるダンスなどの動画です。今回は、昨年末TikTokが発表した「2021TikTokトレンド」から、楽曲の再生回数ランキング上位5曲をご紹介しましょう。
Chinozo「グッバイ宣言」
2021年のTikTokで最も盛り上がった一曲が「グッバイ宣言」です。VOCALOIDを利用したこの楽曲は、2020年にYouTube・ニコニコ動画で発表されてからも人気を博していましたが、2021年に入ってTikTokの「フィンガーダンス」動画が大流行。2021年のTikTok楽曲再生数、いいね数でトップに輝いています。2021年8月にはYouTubeで最も再生されたVOCALOID楽曲になったほか、楽曲を題材にした小説も発表されました。ポップな曲調で「引きこもり」という、ネット世代に親和性の高いテーマを歌った詞は、多くの10~20代の共感を呼んでいます。
P丸様。「シル・ヴ・プレジデント」
こちらは2021年3月に発表された、YouTuber/イラストレーターなど様々な活躍を見せるP丸様。の楽曲です。「グッバイ宣言」と同様に「フィンガーダンス」動画が大流行したほか、曲に合わせた自作イラストの投稿など、二次創作的な広がりを見せました。「TikTok流行語大賞2021」にノミネートされるなど、一種のインターネットミームとして流行した楽曲です。コミカルな語り口、パワフルさとキュートさを併せ持つP丸様。の歌声をちょっと過激な?嫉妬心などをハイテンションなサウンドに載せて歌い上げ、女子を中心に多くの支持を集めた楽曲となりました。
MAISONdes「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」
2021年2月に始動した音楽プロジェクト「MAISONdes」。「同じ時代を生きるアーティストたちが入居しコラボレーションするアパート」をコンセプトに「102号室の住人」である和ぬかとasmiの制作によるこちらの楽曲は、TikTok内楽曲再生数で3位、楽曲を利用した動画の投稿数・また楽曲のシェア数の2冠を達成するなど、プロジェクトを代表する1曲です。公式Twitterアカウントのプロフィール文に「どっかのアパート、六畳半。あなたの歌。」とあるとおり、様々な感情を抱えている人に寄り添う「6畳半ポップス」を掲げる「MAISONdes」のコンセプト通り、悩みや不安を抱えている若者の共感を呼ぶ歌詞と、どこか懐かしさを感じさせるメロディで人気を博した楽曲になりました。
BLOOM VASE「Bluma to Lunch」
ここまでポップスを中心に人気楽曲を紹介してきましたが、次にご紹介するのは3MCからなるヒップホップアーティスト「BLOOM VASE」の楽曲です。「CHILDAYS」「Pop Corn」などもTikTok上で人気を博している彼らの楽曲ですが、今回の「Bluma to Lunch」は国民的漫画の一つ「ドラゴンボール」のヒロインがモチーフとなっており、楽曲中にもファンが思わずニヤリとしてしまうオマージュが散りばめられています。中毒性の高いトラックとおしゃれさを持ちながら「あの子に嫉妬させてみたい」と等身大の身近さも感じさせるリリックが高い評価を集めています。
BTS「Dynamite」
韓国発のポップソング、K-POPは今やビルボードチャートを毎週賑わせていますが、その中でもSNSを活用して知名度を上げてきたのがBTS(防弾少年団)です。2020年に発表された「Dynamite」もYouTube・TikTokを中心に多く再生され、TikTok2021年の楽曲再生数で5位に入ったほか、アーティスト別の再生数でもBTSは首位に輝いています。
BTS自体がダンス・ボーカルなど高いパフォーマンスで評価されているアーティストですが、TikTok内でも彼らのダンスをコピーしたり、複雑なトリックに挑んだりと、様々なジャンルでの投稿が行われています。
2022年のTikTokトレンド予想
さて、ここまで2021年のTikTok人気楽曲を振り返りましたが、ここから先はどのようなトレンドになっていくのでしょうか。一つ考えられるのは「より使いやすい楽曲」「視覚的な要素も含んだ楽曲」がさらに数を増やしていく可能性です。
最近ではYouTubeも短尺動画サービスの「YouTubeShorts」を開始するなど、指先一つのスワイプで次々に動画を切り替えていく文化が浸透しています。その中でこれまで音楽の楽しみ方として存在していた「聞く」ということだけでなくTikTokにおけるダンス動画のように「使う」という視点がもたらされました。今後も「グッバイ宣言」「シル・ヴ・プレジデント」のような「フィンガーダンス」の振付が付きやすい楽曲や、「Bluma to Lunch」「Dynamite」のようにダンス動画との親和性の高い楽曲、「ヨワネハキ」のようにコンセプチュアルでPVに視覚的な楽しみ方が付与された楽曲の需要は、今後も増大していくことでしょう。