経済効果1300億円!? SNSを駆け巡るハロウィン商戦を分析!

2022.10.31

 

毎年この時期になるとニュースやトレンド情報を賑わせるのがハロウィンについてです。時には行き過ぎたハロウィンが問題視されることもありますが、やはりイベントともなれば気持ちも高鳴るもの。日本記念日協会の調査によると、2016年のハロウィンによる経済効果は約1345億円にのぼります。ここ数年ではコロナ禍でやや減少気味ではあるものの、それでも約1000億円以上の経済効果を持つ一大イベントと言えます。
(出典:一般社団法人日本記念日協会記念日文化研究所 「2019年の「ハロウィン」の推計市場規模は前年比約7%減の約1155億円。」https://www.kinenbilabo.jp/?p=779

 今回は、SNSでどのようなハロウィンが盛り上がりを見せたのか、また世の中のハロウィンの位置づけを深堀りします。

起源はいつから?日本のハロウィン商戦

 日本でハロウィンにイベントやグッズ販売を最初にはじめたのは、原宿の玩具ショップ「キデイランド」と言われています。1983年から表参道でハロウィンのパレードを開催してきました。(出典:株式会社キデイランド 2019年10月18日-「キデイランド原宿店「キデイランドハラジュクハロウィン2019」開催!~10月27日(日)」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000329.000001117.html

 その後、1997年に「カワサキ・ハロウィンパレード」、1999年には東京ディズニーランドで「トワイライトパレード」と題して仮装パレードが行われるなど、ハロウィンイベントはじわじわとすそ野を広げていきます。元々海外でハロウィンが持っていた「仮装」や「お菓子を配る」などの要素と、日本のトレンドの1つとして考えられる「コスプレ文化」や玩具の販売などがうまくミックスされたのが日本のハロウィン、というわけです。

今年のハロウィンは「セルフ」!? 2022年のハロウィントレンド

 毎年主要都市では「仮装をして街に繰り出す」「パーティーを開く」といったイベントが催されてきましたが、ここ数年はコロナ禍の影響も重なって大規模なイベントは自粛されがち。そうした中で「自分でハロウィンの気分だけでも味わう」というのが、2022年のハロウィントレンドになりつつあるようです。

 日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」を運営する株式会社クリーマがユーザー1,031名を対象に実施した「ハロウィンに関するアンケート調査」によると今年は「ハロウィンを楽しむ人」が60%との結果が出ていますが、中でも「誰と楽しむか」という質問では「家族(77%)」に続き「自分のため(35%)」と、「友人・仲間(18%)」を大きく上回る結果となりました。「ハロウィンを楽しむ理由」という質問にも「自分のテンション(気分)を上げるため」が30%を超えるなど、友人とのパーティやSNSよりも、自分のために楽しみたい“セルフハロウィン”という傾向が見て取れます。(出典:株式会社クリーマ 2022年9月17日-「【2022年 ハロウィン調査・1,031人にアンケート】パーティやSNSより、自分のために楽しみたい!今年のトレンドは“セルフハロウィン”」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000018086.html) そうしたトレンドを反映してか、SNSを用いたハロウィンのキャンペーンにも「一人で楽しむ」ようなものが多くみられています。

一人で楽しむ!画像投稿型のハロウィンキャンペーン

 これまでハロウィンに限らず、多くのSNS連動キャンペーンで多いのが「商品にまつわる投稿を(友人と一緒などの形で)ハッシュタグ『#●●』を付けてお願いします!」というものでした。そうした形で拡散を狙っていたわけですが、ここ数年は異なるパターンが見られています。

 例えば、アサヒ飲料はTwitterでクイズを出題。ハロウィンコスプレで人気のある「ウォーリーをさがせ!」とコラボを行い、自社商品を見つけるクイズ形式での拡散を狙いました。

また直接的な拡散ではなく、自社キャラクターや商品をモチーフにハロウィン用のイメージを作成した企業もあります。

▼お買いものパンダ【楽天公式】:Twitterアカウント

▼チキンラーメン ひよこちゃん:Twitterアカウント

毎年盛り上がりを見せるYouTubeの #ハロウィン20●●

 こうしたハロウィンにまつわる投稿の盛り上がりは、YouTubeも例外ではありません。

 ハッシュタグ「#ハロウィン2022」や、「ハロウィン 2022」と検索するだけでも、今年のハロウィンに関連した動画投稿がいくつも見つかります。もちろん、各種キャンペーンを見越して動画投稿を行っている企業も少なくありません。また、テーマパークのアピールなど、動画投稿にも各種暇がありません。

▼セブン‐イレブン・ジャパン 公式チャンネル

ここに挙げたハロウィン投稿は極々一例ですが、一概に企業のキャンペーンとしても様々なジャンルがあるもの。またここ数年では、コロナ禍もあいまってハロウィンとして大規模なイベントを差し控える動きも見られていますが、一方で的確な選び方をすれば少ないコストで大幅なリターンを得られるのもこうしたイベントに関連させるキャンペーンの魅力と言えるでしょう。ぜひ一度実施を検討してみてはいかがでしょうか?