再生回数爆増!動画コンテンツ×アニメの可能性を探る!

2022.11.18

日本が世界に誇る文化といえば「和食」「建築」「着物」―――色々ありますが、その1つに「アニメ」が挙げられます。こうした「食」「アニメ」「ポップカルチャー」など「世界がクール(=かっこいい)」と感じる日本の魅力について、内閣府が主導して世界へ発信する「クール・ジャパン」の筆頭にも挙げられます(※1 内閣府HP参照:https://www.cao.go.jp/cool_japan/about/about.html)。

日本動画協会がこの11月に発表した「アニメ産業レポート2022」によると、2021年のアニメ産業市場は前年比113.3%となる2兆7422億円となり、過去最高値を更新(※2)。ますますの成長が期待される市場に成長しています。言わずもがな、こうしたアニメ市場と相性がいいのがSNS。今回は、アニメが関連するSNSでの展開やムーブメントを解説します。

(※2 日本動画協会「アニメ産業レポート2022」参照:https://www.spi-information.com/categories/detail/33307

TikTokとコラボ!「チェンソーマン」

まずご紹介するのは話題沸騰中のアニメ「チェンソーマン」の事例。衝撃的な描写や「毎週違う12組のアーティストがエンディングテーマを担当」など、原作漫画・アニメ共に数々の話題を集めていた本作ですが、TikTokとのコラボレーションを発表(※3)。11月14日現在、公式アカウントのフォロワー数は約22万人を記録しています。またTikTokで撮影できるオリジナルのコラボエフェクトを発表し、ユーザーが全体的に利用できるような内容になっています。エンディング内で登場キャラクターが見せたダンスを担当声優が披露。さらにそのダンスをインフルエンサーがコスプレで披露するなど、いわば「数珠繋ぎ」のような大きなブームになりつつあります。

(※3:Bytedance株式会社 2022年11月2日発表プレスリリース「TikTokに、話題沸騰中のTVアニメ『チェンソーマン』の公式TikTokアカウント開設を記念し、オリジナルコラボエフェクト「マキマの眼」と「狐の悪魔」が登場!」参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000797.000030435.html

真実はTwitterに!?「劇場版 名探偵コナン」

 毎年公開される劇場版が大きな話題を集めるのが「名探偵コナン」。「黒の組織」の毒薬で体を小さくされてしまった高校生探偵が持ち前の推理力で次々と起こる難事件に挑む作品です。公式Twitterアカウントでは劇場版の最新情報・関連情報を発信しているわけですが、4月に公開された「ハロウィンの花嫁」の公開にあたり投稿されたのがこちらのツイート。

 桜をバックに数式だけが書かれた画像一枚の投稿が話題を呼び、連続した投稿それぞれが3万~4万の「いいね」を集めただけでなく、ファンが「これは何を表しているんだ・・・?」とリプライ欄で推理を繰り広げるという効果を生みます。作品の特徴を活かして消費者の大きなリアクションを生んだ好例と言えるでしょう。

 桜をバックに数式だけが書かれた画像一枚の投稿が話題を呼び、連続した投稿それぞれが3万~4万の「いいね」を集めただけでなく、ファンが「これは何を表しているんだ・・・?」とリプライ欄で推理を繰り広げるという効果を生みます。作品の特徴を活かして消費者の大きなリアクションを生んだ好例と言えるでしょう。

上半期流行語は「ピーナッツが好き」?!「SPY×FAMILY」

 先述の2作とはまた違った形での流行が発生したのが「SPY×FAMILY」です。スパイの父「ロイド」、殺し屋の母「ヨル」、そして超能力者の娘「アーニャ」が互いに素性を隠しながら活躍するスラップスティックコメディですが、Instagram/Twitterなど公式SNSは展開しているものの、公式とは少し外れた形での流行に乗ることになります。劇中の「アーニャピーナッツが好き」というセリフをアレンジした音源が大流行することになります。

有名人やインフルエンサーなどでもこのセリフを使った動画を投稿する人が急増。流行先取りメディア「Patrel(ペトレル)」の選ぶ「2022年上半期インスタ流行語大賞」では1位に輝くなど、大きな反響を生んでいます。先日発表された「SNS流行語大賞」においても、アーニャの舌足らずな言葉遣いを模した「アーニャ語」がノミネート。まだまだ大きな話題を呼びそうです。

動画SNSとアニメは親和性が高いコンテンツと言えますが、その中でも最近の流行発信において最先端になるのがTikTok。またTwitterにおいても利用者の大きなリアクションを生みやすい施策を取りやすくなります。当然アニメとのコラボレーションというハードルはありますが、やはり国内の市場を考えると一見の価値ある内容と言えるでしょう。