「ポスト」はどこか?「Twitter」の仕様変更に伴う「ポストTwitter」はThreads?Mastodon?Bluesky?

大手SNS「Facebook」を運営するMeta社(以下、「Meta」)が7月5日にリリースした新SNSアプリ「Threads」は、5日で1億ユーザーを超え、衝撃的な増加率を見せました。その一方でこれまでこうしたショートテキストSNSにおいて常にトップを走り続けてきた「Twitter(現:X、以下「Twitter」)」は1日の投稿数制限や不具合の頻発などにより苦境に立たされています。こうした短文投稿型のSNSはどんな潮流を迎えているのでしょうか。「Twitterの代替」としてユーザーに噂されるSNSなどを紹介しながら分析していきます。

本記事で分かること

Twitterの変遷・・・ユーザーの「ポスト」Twitter探し

 日本時間7月1日の深夜から、Twitter上では「挙動がおかしい」「タイムライン(フォローしているアカウントの投稿が見られる画面)が更新されない」という投稿が大量に発生しました。翌日には「API規制」「Twitter終わり」というトレンドワードが並びました。「API規制」とは、Twitterがアプリ等と連携できるようにする仕組みである「API」の利用に制限をかけること。これにより、一定の件数を超えるとTwitterの投稿/閲覧ができない、という現象が発生することとなりました。Twitter社はこれを「プラットフォームに悪影響を及ぼす自動投稿・アカウントを検出するための措置である」とし一時的なものであると発表しました(参照:Twitter Buisiness「Update on Twitter’s Rate Limits(英文)」URL:https://business.twitter.com/en/blog/update-on-twitters-limited-usage.html)。 Twitterを運営するX社のリンダ・ヤッカリーノCEOも自身のアカウント(URL:https://twitter.com/lindayacc)で「この決断は必要なものであり、継続していく」とAPI制限の必要性を強調しました。さらに23日、Twitterを買収したアメリカの実業家イーロン・マスク氏は自身のTwitterアカウント(URL:https://twitter.com/elonmusk)でTwitterが長年使用してきた「青い鳥」のロゴを「X」をモチーフとしたものに変更すると発表。将来的には「Twitter」というブランドそのものを段階的に「X」に移行していくなど、大きな転換を示唆しています。

しかし、API制限に加えて不具合などが頻発していることから、ユーザーの間では「Twitterの代替SNSはどれか」という議論が盛んに交わされており、リブランディングの道のりは険しいものになる、という予想が大半なのが現状です。

「集中型」と「分散型」の違いとは?

「ポストTwitter」について議論される際によく出てくるのが「分散型SNS」という言葉です。これまでのSNSと何が違うのかを解説しましょう。

 まず「集中型SNS」は、Twitter・Instagramなどに代表されるような、言わばこれまで「SNS」と呼ばれたときに名前があがるタイプということができます。サービスが提供する1つの巨大なサーバーにユーザーが集まっていく仕組みで動いているため、管理も容易かつ信頼性の高いものとすることができます。しかし一方で、今回のTwitterに代表されるようなトラブルが発生すると、システム利用者全体に大きな影響を及ぼすことになるリスクがあります。

「分散型SNS」はそれとは異なり、複数のサーバーでサービスを運営します。話題に応じたサーバーをユーザーが選んで登録するようなイメージです。集中型SNSと異なり、各サーバーの特徴や話題に合わせて参加することができる一方、サーバー規模によって情報や安全性に偏りがあったり、サーバーを越えた情報の伝達スピードは集中型SNSに劣るといったデメリットもあるのが特徴です。

 そうした特徴を踏まえて、「ポストTwitter」と呼ばれるSNSについていくつか見ていきましょう。

初動は1億ユーザーも…発展途上の「Threads」

TwitterのAPI制限後、最も大きく注目を集めたSNSと言えば「Facebook」を運営するMeta社による「Threads」です。先日VAZLABでもお伝えした通り(https://vazlab.vaz.co.jp/yt-trend/news_010/)非常に好調な滑り出しを見せ、11日にはMeta社のマーク・ザッカーバーグCEOが自身のThreadsアカウントで「アプリ配信5日後時点で1億ユーザーを突破した」と発表しています。

 機能としては500文字の短文、またInstagramとの連携を活かした写真投稿など、基本的な短文投稿機能としては十分な機能を示している一方で、パソコンなどWeb版の利用ができないことや、ハッシュタグ・投稿の検索・他アプリとの連携など不満の声も多くあり、分析を専門で行うsimilarwebは「アクティブユーザーが1週間で半減した」とも報じています(similarweb「Threads Usage Drops By Half From Initial Surge(英文)」URL:https://www.similarweb.com/blog/insights/social-media-news/threads-week/)。

 しかしながらザッカーバーグ氏は今回のリリースが前倒しであることを踏まえさらに改良を進めると言及していることから、引き続き注目度としてはNo.1と言ってよいでしょう。

分散型SNSの雄「Mastodon」

 各サーバーごとに管理者が存在する分散型SNSにおいて、長く利用されているのが「Mastodon」です。こちらもThreadsと同様に500文字の文字投稿、画像の投稿などの投稿が可能。WIREDの記事によると、2022年10月のマスク氏によるTwitter買収後、2か月でMastodonはアクティブユーザーを38万人から250万人以上に増加させたとも言われています(WIRED「分散型SNS「Mastodon」のユーザー数が急減、それでもTwitterユーザーの一部は定着し始めている」URL:https://wired.jp/article/the-mastodon-bump-is-now-a-slump/)。

 ネックとなるのは拡散力の弱さと、使い勝手と言えるかもしれません。Twitterのような集中型SNSに慣れているユーザーからすると、分散型SNSに慣れるまでにはなかなか時間がかかると言わざるを得ません。実際、先述の記事では250万人以上いたアクティブユーザーも、翌年1月には140万人程度にまで落ち込んだという報道がされています。またサーバーごとの独立したルールが存在するなどで、どうしても情報の拡散力という観点ではTwitterの後塵を拝すことになっているのが現状です。

Twitter創業者が発案「Bluesky」

 ポストTwitterを探す際に「Threads」「Mastodon」など様々なSNSが出てくる中で、にわかに注目を集めたのが「Bluesky」です。こちらはTwitterの元CEOであるジャック・ドーシー氏を中心に2020年12月からスタートしている分散型SNS。なんといっても大きな特徴なのが「Twitterと非常に似通った画面・システム」であるということ。インターネット上での口コミを見る限りでも、分散型SNSであるにも関わらずTwitterユーザーにも概ね好意的に受け止められている様子です。

 一方で、先に挙げたThreads、Mastodonに比べると知名度や機能面はまだまだといった印象。当記事執筆時点(2023年7月24日現在)で既にBlueskyを利用している人から「招待コード」を受け取らなければならない、という招待制を用いていることや「広告なしで運用する」と宣言したこともあり、独自路線での展開が注目されます。 


 現時点でもTwitterがSNS最大手の1つであることに変わりはありませんが、マスク氏の「Twitterを“スーパーアプリ化”する」という方針も重なり(参考:Forbes「マスクはツイッターの「スーパーアプリ」化を目指す、お手本はWeChat」URL:https://forbesjapan.com/articles/detail/63362」)引き続き仕様変更など混乱は続く見込みです。そうした中でSNSマーケティングにも大きな影響を及ぼす「ポストTwitter」の動きには、今後も目が離せません。

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